私は昔からモバイルPCと呼ばれる超小型PCを利用しています。
何しろ小心者だし、体格も小柄です。だから少しでも電車の中で邪魔にならず、持ち歩きに便利なMacBook Air 11インチなどを使って来ました。
そんな私ですから、会社から支給される業務用パソコンにThinkPad X1カーボンでなくてMicrosoft Surface Go 2を選んだのは、当然の成り行きかもしれません。
しかし超小型ノートパソコンをメインマシンにするということは、それなりに使い方の工夫が必要です。
今回は何をどう工夫しているのかを紹介させて頂くことにします。
2種類のエディタ
意外かもしれませんけれども、Surface Go 2のような超小型ノートパソコンでも、Microsoft Officeは何も苦労せずに利用できます。
Microsoft PowerPointはプレゼンテーション用なので、もとももとB5サイズの画面でも編集可能です。さすがに職場や自宅以外で、Webブラウザを参照しながら資料作成することは無いです。
そして職場や自宅では、外付けディスプレイを利用できます。さすがに外付けディスプレイ全体にPowerPoint資料を表示させる人はいませんよね。
Microsoft Wordに関しても同様です。というか、A4縦形式が多いから、PowerPoint以上に超小型ノートパソコンの画面で問題ないでしょう。
強いて言えば、Microsoft Excelくらいでしょうか。Excelを使用する時は、外付けディスプレイを目一杯に利用することがあります。そういう時は、フォントサイズもギリギリまで小さくします。
だから超小型ノートパソコンの高精細な画面では、拡大表示機能を使うことになります。ただしこれは滅多にあることではないし、設定変更もかんたんです。だから困ることは殆どありません。
意外なことに困るのは、ブログ記事の作成や長文メールの作成です。なぜかシンプルな作業であるのに、これが超小型ノートパソコンだと辛くなって来ます。
なぜならWindows 10ではフォントは指定サイズで固定表示されるので、超小型ノートパソコンだと文字が小さくて苦労する羽目に陥るのです。フォントサイズを変更すれば良いんですけど、これはプログラム作者の想定外な操作です。だから少し手間がかかります。
前置きが長くなりましたけど、このテキストエディタの使いにくさを解決してくれるのが、「2種類のテキストエディタを使用する」なのです。
例えば外付けディスプレイで作業する時には、秀丸エディタを使用して10ポイント表示で作業します。そして本体ディスプレイで作業する時には、さくらエディタを使用して14ポイント表示で作業する訳です。
こうすれば外付けディスプレイと本体ディスプレイの作業で設定変更する手間が省けます。また2つのディスプレイを同時利用する時も便利です。
そういえばメーラーはOutlookしか選択肢がありませんけれども、日頃の私はWeb版Outlookを使用しています。だから外出時にはクライアント版Outlookを使用すれば良いわけです。
ちなみに私のSurface Go 2はLTE仕様なので、常時接続環境でも利用可能です。しかしさすがにWeb版Outlookは不意の切断という可能性を考慮し、クライアント版Outlookを利用した方が賢明そうな気がします。
Windowsチューニング
最近のノートパソコンの性能向上には目覚ましいものがありますけど、デスクトップパソコンには敵いません。そういう観点では、全てのノートパソコンで実施しても良いかもしれません。
(特に冷却ファンがフル回転しているノートパソコンでは)
- 基本設定:パフォーマンス優先の設定
- バックグラウンド アプリの停止
- 電源オプションの調整
大雑把には、以上の三点です。
Windows 10はハードウェア性能に応じて設定内容を調整するような機能は備えていません。だからまず、先の記事のように「美しい景観の動画アニメーション」などの煌びやかな表示はあきらめて、性能重視の「質実剛健な画面表示」を選びます。
そして “出来る範囲” になりますけど、現在取り組んでいる作業だけにハードウェア資源を投入するようにします。デスクトップパソコンのように余分な資源は余っていません。特に超小型パソコンは、ギリギリまで必須な資源だけに絞っています。わずかな無駄も許しません。
そして「出来ないものは出来ない」と、電源オプションを調整して、「最大のプロセッサの状態」を100%から引き下げ、80%-90%程度に引き下げます。
現在のノートパソコンは、ギリギリまで発熱させて性能を出そうとしています。冬ならば大丈夫ですけれども、日本の酷暑の下で仕事用に動かそうとすると、アチコチに負荷がかかります。CPU冷却ファンは全力回転します。
長い目で見れば、少しくらいパソコンがもっさりと動いていても、業務効率には大して影響しません。それよりも「無事これ名馬」のように、長期間の安定稼働の方がコストパフォーマンス良いです。
サクサクと速く動くのは、人間のストレスを低減するためのようなものです。人間側が当たり前としてボチボチとパソコンを使うことが出来れば、別に何の問題もない訳です。
外部接続キーボード
実は注意した方が良いのがキーボードです。先程の通りで、仕事の成否を分けるのは、キーボードを叩く速度にパソコンがついて来れるかどうかじゃありません。ポチポチと一本指でキーボードを叩いていた上司は事業部部長になりました。
それではどうして外部接続キーボードが重要になるかというと、ストレスに影響するからです。いや、ストレス程度だったらば、放置しておいても良いでしょう。
長い事仕事をしていると、どこに何のキーがあるかを自然と覚えてしまいます。しかしコントロールキー、CAPSキー、Fnキー、無変換、変換キーなどの位置は変わることがあります。
変わってしまった時には、どこに何があるかを探すことになります。つまり思考の中断が発生します。これは望ましいことではありません。だから出来るだけ「使い慣れた外部接続キーボードを長期間利用する」というのが望ましい訳です。
また外部接続キーボードにしても、キー配置には気をつけた方が良いこと多いです。私はAppleのMagic KeyboardやHHKB Lite (ハッピー・ハッキング・キーボードの偽物) を使っていますけど、アルファベットAキーの左隣にコントロールキーが存在します。
会社から業務用に支給されたパソコンでは、あまりレジストリに手を加えるような真似をするのは望ましくありません。だから最初からキー配置に気を配り、いつも変わらず使える環境を構築する訳です。
ちなみに私はMacBookユーザですので、スペースキーの左側をIMEオフに、そして右側をIMEオンに設定変更しています。そうすると急なApple製品向け作業でも、戸惑うことがありません。
実はこのように細かい部分が、性能よりも生産性に影響して来ます。パソコンの操作ではなくて思考に集中できることが大切なのです。
まとめ
以上がノートパソコンをメインマシンとして利用するときのコツです。わざわざノートパソコンを使うのは、いつでも効率よく仕事したいからです。
そして効率良く仕事することの本質は、いつでも必要な思考に集中できることです。単にパソコンのスペックに一喜一憂していては、単なる作業者で一生が終わってしまいます。
そういう意味ではノートパソコンを使う場合のコツを工夫することも大切ですけれども、ほどほどにした方が効率的です。パソコンは、あくまで道具に過ぎません。
ただしエラいおじさんまでノートパソコンを使う場合のコツを工夫するのは、それが思考を鍛えたり発展させたりするのに役立つからです。ノートパソコンを使うコツも、そういう観点で取り組むと意義あるものになるような気がします。
それでは今回は、この辺で。ではまた。
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記事作成: よつばせい