今回はデスクトップPCで解像度の異なるモニターでデュアルディスプレイを設定する話。ノートパソコンのようにUSBハブは必要ないけれども、BIOS設定やWindows Updateが関係してくる。最初から理想的な設定状態を実現できる者は多くない。
そこで今回は自分の体験談を紹介しながら、ハードウェアとソフトウェアの設定方法を説明する。
接続とケーブルの確認
まず異なる解像度でデュアルディスプレイ環境を実現するといっても、基本的なことは変わらない。ハードウェア的にちゃんと接続し、さらにソフトウェア的な設定を完了させることだ。
ノートパソコンだと最新Suraface Pro 7やMacbookはUSB-Cケーブルだけれども、案外とケーブルがちゃんと接続されていなかったというトラブルも多い。デスクトップPCではHDMI、VDI、Mini Display Port端子になるけれども、間違いなくちゃんと接続完了していることを確認しよう。
それから次はどんなパソコンにも共通だけれども、ケーブルの仕様という問題がある。僕の使っているDEED 2804Kという28インチ4Kディスプレイは、標準的なHDMIケーブルを受け付けない。4Kの60Hz接続に対応しているHDMIケーブルでないと、ディスプレイは真っ暗なままだ。
せめて1920ピクセル x 1080ピクセルのFull HDで表示してくれても良さそうだけれども、こればかりは製品仕様というヤツだから仕方がない。他にもMini Display Port -VDI変換アダプタを使ってVDIケーブル接続をしても、DEED 2804K液晶モニターは全く反応してくれなかったりする。
接続できれば何でもOKという訳ではない。変換アダプターや接続ケーブルを新規購入する場合には、出来るだけ良い規格の変換アダプターや接続ケーブルを選択した方が賢明だと言える。
BIOSとWindows Update
さて物理的な接続が完了したら、今度はソフトウェア的な設定となる。ディスプレイ一台の時に問題なく表示されていても、デュアルディスプレイ環境になった途端、両方とも表示されなくなってしまう悲劇もある。
だからまず、シングルディスプレイ環境でBIOS、もといUEFI画面で設定確認することが望ましい。これはデスクトップパソコンの電源投入時に、ディスプレイにF2キーを押せばBoot Menu画面に入れるとか、F12キーを押せば起動デバイスを選択できるといった内容が表示される。
(マザーボードによっては表示されないこともある)
多くの場合はF2キーとかF11キーあたりを押せば、マザーボードのBIOS設定内容を表示させることが出来る。最近ではUSBブートのおかげもあって、USBキーボードでも問題なくF2キーやF11キーなどは反応してくれる。
ちなみにASRock Z170 Pro4の場合には、PCI-Eグラフィックカード接続した液晶モニターと、マザーボード内蔵グラフィックカードに接続されたモニターのどちらを優先表示させるかという選択が可能だった。
(逆にいうと、選択した側に液晶モニターを接続しないと起動画面を拝むことさえ出来なくなる)
今回はASRock H97 Proというマザーボードだったけれども、In-Graphicsモードとやらでマザーボード内蔵グラフィックスカードから外部出力する/しない(Enabled/Disabled)という選択肢が存在した。デフォルトではDisabledとなっており、最初は内蔵マザーボードのHDMI端子に液晶モニターを接続しても真っ暗けのままだったので、途方にくれてしまった。
そしてマザーボード内蔵グラフィックスカードのHDMI端子に接続した液晶モニターが表示されない問題は、UEFIブート設定(BIOS設定)だけでは解決しなかった。それでWindowsのデバイスマネージャーをチェックしてみたら、正常認識されないデバイスが登場していた。
これはお馴染みのスタートキーを右クリックして、「設定」–>「更新とセキュリティ」でWindows Updata下側に表示されている、「オプションの更新プログラムを表示」を選択して、さらに「ドライバー更新プログラム」を選択する。そうするとマザーボードのグラフィックアダプタが登場しているので、それをインストールする。
そしてWindows Update作業が終わったら、いったんシステムを終了させる。そして電源ボタンをオンにして、今度は無事にマザーボード内蔵のグラフィックスアダプターもWindowsから認識されて、デュアルディスプレイ環境で画面表示されるようになっていることを確認する。
(Windowsのデバイスマネージャーで確認すると、全て正常動作している画面になっているので一安心だ)
なお僕のDEEK 2804Kという4K液晶ディスプレイでは、この段階では不思議なことに1920ピクセル x 1080ピクセルのFull HD解像度表示になっていた。おまけでに解像度を変更することが出来なかった。
そこでまずは使用するモニターを4Kディスプレイ1つだけにして、Windowsを再起動した。それからデスクトップ画面でマウスを右クリックして、「ディスプレイ設定」を開いたら、無事にモニターの解像度を3840ピクセル x 2160ピクセルの4K解像度へ変更することが必要だった。
(そして2つ目のモニターも表示させる設定をしたら、無事に3840ピクセル x 2016ピクセルの4K表示を維持したまま、二つ目のモニターでFull HD表示をさせることが出来た… マザーボードが古いので、内蔵グラフィックスアダプターではFull HD表示が限界だったのだ)
まとめ
以上の通りで、デスクトップパソコンではシングルディスプレイ環境からデュアルディスプレイ環境に移行にする場合には、幾つかの作業が必要となる。このことを知らないと、せっかく新しい4K液晶ディスプレイを購入した場合でも、無事に4K解像度でパソコンを使用することが出来ない。
それどころか、昔の接続に戻しても、パソコンが何も表示しなくなってしまうという悲劇も稀に生じたりする。作業は余裕ある時か、誰かのアドバイスを貰える時に実施した方が良いかもしれない。
それでは今回は、この辺で。ではまた。
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記事作成:小野谷静