「もう2020年なのに、まだMacbook Late 2008なの?」と、驚く方も多いでしょう。
しかし今でも64bit版Windows 10でMicrosoft Officeが快適に動作するMacbook Late 2008(13インチ)は、中古市場でも人気商品の一つです。
13インチという大きさでは初めてのアルミニウム筐体は、今でもオシャレなノートパソコンとして魅力的です。
Apple製品に憧れる学生さんの中には、予算不足でMacbook Late 2008に挑戦する方が増えそうな気がします。そこで学生の貴重な時間を節約するため、今回はMacbook Late 2008の “使いこなし術” を紹介させて頂くことにします。
ちなみに「処理性能が大丈夫だろうか?」と心配する人もいるかもしれませんけど、IntelのCore2DuoシリーズP7350(2.0MHz)です。Zoomビデオ会議での推奨スペックに該当します。
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AppleのMacbook
AppleのOS XはMac製品にしかインストール出来ないように製造されています。しかし逆にWindowsパソコン(DOS/V)として見た場合は、正統的でスペックの高いPCです。
たしかに普通のパソコンにOS Xをインストールしようとすると「無理!」と表示されるということは、普通のWindowsパソコン(DOS/V互換機)とは異なる部分が存在するということです。
でも次のように、UEFIブートでWindows 10をインストールすることが可能なのです。UbuntuなどのLinux OSもインストール可能です。
UEFIブートWindows 10
Macbook Late 2008(13インチ)は、ごく普通にUEFIインストールが可能です。
これはOS Xがインストールされている時に、Optionキーを押したまま電源ボタンを押した時の表示内容です。これで “EFI Boot” を選択しても上手く行きません。
最初は理由が分からず、パソコンの前に突っ伏す日々が続きました。
実は興味深いことに、マイクロソフトのDVD/USBインストール用プログラムが、”Windows(MBR方式)” しか選択できないように造られているのです。
で、OS Xが入っていない “まっさらな状態” でインストールすれば、画面の “EFI Boot” でインストールすることが可能となります。UEFIブート方式のMacbookに仕上がります。
ちなみにrEFIなどのツールを使うことにより、OS X/Utuntu(Linux)/Windowsのマルチブート環境を作ることも可能です。(2015年に検証済み)
ただしこれらのディスク構成で、Appleのデュアルブート用ツールであるBootcampをインストールできるかは未確認です。ちょうど2020年5月1日にUEFIブート方式の64bit版Windows 10環境を構築したので、機会があったら試してみたいと思います。
ちなみに大抵のドライバは64bit版Windows7用のBootampインストールプログラムに入っていましたけど、オーディオドライバ(RealTek)は入っていませんでした。ちなみにMacbook Air 2011用のBootcampには入っていたので、それを組み込んでみたら無事に内蔵スピーカーから音が出るようになりました。
こういったドライバ類はWindowsに入っていなければ、普通のWindowsパソコンと同じく “メーカーサイトのダウンロード” が必要です。これが結構大変で、パソコン教室やサポートセンターがビジネスとして成立する訳です。
Bootcamp方式Windows 10
お次が旧式Macbookにしがみつく貧乏ユーザー(私のこと)を震え上がらせたBootcamp方式での64bit版Windows 10環境です。
Appleは販売終了してから、だいたい5年程度でサポート終了しています。だからMacbook Late 2008で公式にサポートされているのは、Windows 7の32bit版環境です。
ただしこれは、インストール環境としての保証です。その後で自己責任でOSアップグレードして使うことが可能で、多くのユーザはマイクロソフトに推奨されてWindows 10へ移行しました。
その結果として生じたのが、有名な2019年の “OSアップデート不可能事件” です。私のMacbook Air 2011なども該当します。
旧式Macbook用のBootcamp向けドライバである “MacHALDriver.sys” がWindowsディレクトリ内に存在すると、それをマイクロソフトのOSアップデートプログラムが検知して、自動アップデートが走らないといった事件です。
これはドライバが存在するとWindows 10が正常稼働しなくなるため、マイクロソフトの開発チームが一時的に実施した措置です。普通は古いドライバは既知なのでサポートされますが、時にはこういった事象も発生します。
最終的にはApple開発者とマイクロソフト開発者の努力のおかげで、何事も無かったかのように旧式Macbook向けのOSアップデートが再開されました。
BootcampのおかげでOS Xとデュアルインストールが可能になったり、トラックパッドの細かい設定が可能になっているのです。だから私も、Bootcamp環境でWindows 10という環境のお世話になっています。
ちなみにMacbook Late 2008(13インチ)のアルミニウムボディやMacbook Air 2011だと、64bit版Windows 10をクリーンインストール(アップデートではない新規インストール)するには工夫が必要です。
Windows 10だとWindows 7/8用のドライバは弾かれてしまうので、Bootcampインストールプログラムが収納されたディレクトリで呪文を唱えます。(私の場合はcドライブ)
- msiexec /i “c:\Bootcamp\Drivers\Apple\BootCamp64.msi”
そうそう、この呪文を唱える前にも呪文というか、設定が必要です。
古いバージョン向けのドライバなので、互換モードで実行する必要があるのです。それから先のように、RealTekオーディオドライバをダウンロード&適用することが必要です。
ここら辺は年季の入った技術者だと良く分かるのですけど、作業条件が時々刻々と変化します。だから初心者は、無理せずに最新機種(Macbook Air 2020など)を購入することがオススメとなります。
ちなみについでに説明しておくと、これでもコプロセッサは導入されないので、デバイスドライバ画面を開いて、Bootcampディレクトリ内に収納されているドライバで更新をかける必要があります。
それからOS XのEI Capitanにしても、既にサポートが終了しています。これはAppleストアの “購入履歴” からダウンロード可能ですけど、どういう訳かクリーンインストールに失敗します。
それで私の場合はTimemachineを使って、HDDからSSDへデータ移行を実施しました。実はUEFI方式で64bit版Windows 10をインストールしたのも、ここら辺が面倒になったからです。
実はEI CaptitanインストールUSBメモリを過去に作成していましたけど、それはもう証明書の期限切れで使えないのだそうです。
以上のように古いパソコンでの環境構築をすると、それを通して社会勉強をすることも可能です。技術者になることに興味のない人は、最新機種を購入するのが良いでしょう。
(しかし技術者を志す学生がアルバイトによって技術的課題を克服するというのも変な話です。いざとなったら学校に相談すると良いでしょう。現在は閉鎖されていますけど、パソコンが設置された教室を持つ教育機関も多いです)
使い方のTips
さてMacbook Late 2008(13インチ)アルミニウムボディには、いろいろなディープな楽しみ方があります。
(1) SSD換装
冒頭画像の通りで、初めての13インチ版アルミニウムボディであるMacbook Late 2008では、バッテリーとHDD/SSDは簡単に着脱可能に設計されています。
だから自動車のF1レースのタイヤ交換のように、幾つものSSDを交換しながら使用することが可能なのです。
先程のUEFIブート方式64bit版Windows 10環境にしても、いつでも昔の環境(古いHDD)に戻れるから、日頃は “普通のWindowsノートパソコン” として使う運用が可能なのです。
rEFIツールを使ってマルチブート環境により、スマートに仕事するのも良いでしょう。しかしMacbook Late 2008(13インチ)アルミニウムボディには、力技で押す野武士のような使い方も出来るのです。
(2) 8GBメモリ増設
Appleのサポート保証している期間は4GBメモリでさえ “リッチ” でしたが、最近は8GBメモリが当たり前の時代になりました。
Macbook Late 2008は機能的には8GBで動作する仕様で設計されています。だからAppleからは「自己責任でお使い下さい」と回答されましたけど、8GBメモリを利用することが可能です。
だからMacbook Late 2008はメモリ容量不足で困るケースは滅多に無いのです。
(3) 電力プランのショートカット
さすがにCore2Duoだと、Zoomビデオ会議のようなプログラムだと、CPUを100%で実行した方が快適に利用できます。一方で発熱量が増えるので、日頃は85%程度を上限で使いたくなります。
このような時、Windows 10では電力プランで「省電力」「バランス」「高パフォーマンス」を選択できるようしています。ただしコントロールパネルから電力設定画面を辿っていくのは、毎日何回もやりたくない操作です。
そこでWindowsにはショートカットという便利なものが用意されているので、バランスの時にはCPUの85%とし、高パフォーマンスの時には100%という設定で “ショートカット作成” するのです。
省電力 | powercfg -setactive SCHEME_MAX |
---|---|
バランス | powercfg -setactive SCHEME_BALANCED |
高パフォーマンス | powercfg -setactive SCHEME_MIN |
昔の人は、まだまだ発展途上で貧弱だったパソコンで仕事をする必要があったので、手動で電力プランを調節する必要があったのです。(遠い目)
これだけでは良く分からない人は、Zoomビデオ会議でMacbook Late 2008を使った紹介記事を掲載しておくので、そちらを参照して下さい。
(4) 外付けディスプレイ
残念ながら13インチでの初代アルミニウムボディはデザインや性能面では不満ありませんけど、液晶解像度が 1200 x 800 に留まっています。ここはMacbook Air 2011(13インチ)並みに、1400 x 900 は欲しいところです。
しかし無いものねだりしても始まりません。ここは素直に外付けディスプレイに頼るのが得策です。
最近ではポータブル型の23インチ外付けディスプレイなども登場しているので、頑張って持ち歩くという方策も考えられます。
(そういや私の先輩には “ポータブル・デスクトップ” といってタワー型パソコンを持ち歩く人もいました)
まとめ
以上が10年以上前に発売された旧式パソコン “Macbook Late 2008(13インチ)アルミニウムボディ” で、最新の64bit版Windows 10を華麗に使いこなす方法となります。
技術者としては楽しい反面、昔のパソコンのように様々なトラップやTipsのあることがお分かり頂けたでしょうか。
身近に頼りになる人がいたら挑戦してみると良いかもしれませんけれども、基本的には最新機種を購入することがオススメとなります。
ちなみにApple製品でなければ、私の周囲にはThinkPadとかレッツノート利用者が多いです。私は両方とも使ったことがありますけど、どちらも故障とは無縁で活躍してくれました。
(どうして機種変更をしたかというと… うーん、歳のせいか思い出せません。困った、困った。)
それでは今回は、この辺で。ではまた。
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記事作成:四葉静