Surfaceが苦手とする夏がやって来た。ファンレスPCというのは静かで良いけれども、性能と発熱のトレードオフに付き合う必要がある。
そこで今回は、Windows 11の設定も含めて、どうやって最高性能を出せるようにセッティングすれば良いのかを記事化しておくことにする。
ちなみに2022年7月3日時点で、業務用Surface Go 2 LTEモデルはVPNとか残業監視プログラムを搭載してヘビーになっているものの、8GBメモリとWQHD外部接続ディスプレイでストレスなくビデオ会議も実現できている。
それでは早速、設定内容を紹介させて頂くことにししたい。
[ 目次 ]
冷却方法の進化
さて旧式MacbookでZoomビデオ会議に参加する際は、ヒートシンクを装着して、住宅の24時間給気口からの自然風や空気清浄機を利用していた。
ビニール袋で筒を作り、給気口や空気清浄機からヒートシンクに至る “風の道” を形成していた訳だ。他人に見られることのない、自宅でないと実現できない方法だ。
これはネタ話としては面白いけれども、真面目にやるならば静音型のUSB扇風機が最適だろう。今ではスマホの充電器がアチコチに転がっている時代になったので、充電器のUSB扇風機の電源として利用してしまえば良い。
ただしこれ、会社で利用するならば悪くないけれども、自宅では電気代がモッタイナイ。ましてや2022は電力不足のため、節電要請が発令されている。
そこで僕が編み出したのは、”24時間稼働する空気清浄機を利用する” という方法である。2022年7月時点では、業務用Surface Go LTE 2と個人用Surface Goの二台を、縦方向に直列させている。
これは冒頭画像のように、B5サイズの事務用クリップボードにSurfaceを輪ゴムで括り付けている。たしか赤い輪ゴムは、崎陽軒の弁当などに使われていたと思う。
お馴染みのヒートシンクを、百均で購入した両面テープで貼り付けている。数秒で着脱して会社へ持参できるように、暗記カードの金具などを使って、クリップボードをハンガーラックへ引っかけているだけだ。
工夫した点といえば、Surfaceはタッチパネルを採用しているから、クリップボードにパネル面が当たらないように工夫している程度だろうか。これは黒のマスキングテープを何枚も重ね、Surfaceのベゼル部分にクリップボードが当たるように調整している。
これで最近は品質に悩まされていたTeams音声会議が解消してしまったのだから、たかがヒートシンク2枚と侮ることは出来ない。ポイントは少しでも風の流れがあるところにSurfaceを設置することだ。
今までは部屋のタンス近くに設置していたこともあって、どうにも音飛びがして困っていた。Windowsのタスクマネージャで見ると、メモリ使用率やCPU利用率が100%になることがあるけれども、それでも安定して最高性能を発揮してくれている。
(つまり職場ではUSB扇風機を使えば、再構性能のSurfaceで仕事できるという訳だ)
ちなみに流石にSurface本体のスピーカーはともかく、マイクを利用するには無理がある。Surfaceには音声端子が装備されているので、これも近所の百均で音声信号の延長ケーブルを購入して来た。
延長ケーブルを使うとマイクが使えなくなるんじゃないかと心配したけれども、その点は大丈夫だった。iPhoneのイヤホンマイクを問題なく利用できている。
ちなみにカメラもオンにする場合は、さすがに机の上に置いている。お馴染みのビニール袋に頼っている訳だけだけれども、これはUSB扇風機などの空気源としても問題ないだろう。
(最近はノイズキャンセリング機能が進化しているのでUSB扇風機の音は拾われにくいけれども、場合によっては扇風機音が問題となることがあるかもしれないので)
Windowsの設定
さてWindows 10環境に関しては、こちらの記事も参考にして頂けると幸いである。
ちなみにSurfaceはWindows共通の電源管理おぷんしょん(コントロールパネルなどで操作)と、電源スライダーの二つで設定作業することになる。先日は電源スライダーが表示できなくて慌てたことがあるけれども、マイクロソフトのサイトによればバランス設定の時だけ利用可能になるとのことだ。
僕はまず電源スライダーでパフォーマンス優先を設定してからWindowsの電源制御を高パフォーマンスにしたので、今までそんなTIPSがあるとは気付かなかった。やっぱりSurfaceというのは、なかなか奥深いパソコンだ。
なお上記の記事はWindows 10環境だれけれども、Windows 11では若干異なる部分がある。
まずWindowsをパフォーマンス優先に動作するように設定する方法だけれども、スタートボタンを右クリックなどして選択した “設定” を選択した次は、”バージョン情報” を選択する。 そうすると冒頭の “デバイスの仕様” の関連リンクに “システムの詳細設定” を見つけることが出来る。
あとはWindows 10と同じく、”詳細設定” タブを選択してから、まず「パフォーマンスを優先する」を選択する。そして次に、「スクリーンフォントの縁を滑らかにする」を選択すれば良い。
なおバックグラウンドアプリの停止は厄介で、普通は設定からアプリを選択し、アプリと機能で “詳細オプション” から無効化を選択する。そうすればバックグラウンドでもアプリ実行が無効化されるから、動作が早くなるという訳だ。
ちなみに僕の場合は、面倒なのでリスクはあるけれども、レジストリエディタから停止設定をやっている。
- HKEY_CURRENT_USER
- Software
- Microsoft
- Windows
- CurrentVersion
- BackgroundAccessApplications
そこでマウスの右クリックによって “新しい値” のDWORD(32-ビット)値を作成する。その名称を “新しい値” から GlobalUserDisabled へ変更する。変更したらマウスをダブルクリックして GlobalUserDisabled を開き、”値のデータ” には 1 (16進数) を入力する。
あとはPCを再起動すれば、レジストリの変更内容が反映されるようになる。ちなみに変更後に先ほどの “アプリと設定” などでバックグランド動作の設定状態を確認しようとしても、消えているので確認できない。つまりそれが、無事に設定できているという証になる。
(というか、体感で速くなっているのように感じられないのであれば、無理にそこまで節約に頑張る必要はないだろう)
まとめ
以上のようにSurfaceを物理的に効率的に冷却することと、Windowsの設定を組み合わせることにより、Surface最高性能を存分に引き出すことが出来る。僕も最初は半ば冗談のつもりだったけれども、「風の流れ」には驚かされた。
たとえ大型のヒートシンクを取り付けても、エアコンの設置場所などの関係によって、殆ど空気が流れないような場所も存在する。考えてみれば、デスクトップPCというのはファンが全力回転している状態でも、パソコンの筐体内では大した風流は生じてない。
だから空気清浄機のわずかな気流であっても、ヒートシンクがあれば絶大な効果を発揮してくれるという訳だ。なお省エネという観点ではSuraface+外部接続ディスプレイよりも、iPadを使った方が有効という話もある。
こちらに関しては、また別に説明を機会を設けさせて頂くことにしたい。
(24インチのモニターだと20-30Wくらいは消費してしまう。道理で部屋の中が、暑くなる訳である)
それでは今回は、この辺で。ではまた。
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記事作成:小野谷静